メディエーション・ラボ

紛争解決の理論と実践をつなぐ

メディエーション(ミディエーション、mediation)とは、紛争解決・問題解決のために中立の第三者が当事者間のコミュニケーションを援助する仕組み・手続を言います。

平たい言葉で言えば、もめている当事者同士の話し合いに、とりもつ第三者を入れて、納得いくまで話し合う手続を言います。

日本語では、「調停」と訳されます。(「あっせん」と訳される場合もありますが、「あっせん」という日本語そのものが機関による定義の違いが大きく、あまり安定していない言葉であり、ここでは調停という訳語を採用します。)しかし、メディエーションと調停という言葉が一対一に対応しているわけではありません。米国で1960年代ないし70年代からはじまった現代的な話し合いの手続を、メディエーションと呼ぶことから、メディエーションの訳語として「現代調停」という用語が採用される場合もあります。

日本には、裁判所に家事調停、民事調停と呼ばれる手続があります。例えば、離婚後にどちらが子どもを養育するのかといったことでもめた場合に話し合う手続が家事調停になります。(離婚調停というのは通称で、正式には家事調停と呼ばれます。詳しく言えば、家事調停における夫婦関係調整手続と呼ばれるものが離婚調停にあたります。)裁判所が行う調停は、行政型調停、民間調停との比較で、司法調停と呼ばれる場合があります。司法調停は、大正期以来80年以上の歴史があります。
また、日本では、行政機関が事実上の調停・あっせんを行う場合があります。例えば、消費生活センターは、消費者と企業の間を仲介する手続を「あっせん」と呼んでいます。他には、労働分野で、厚生労働省が、個別労働紛争解決制度を運用しています。
さらに、民間調停という民間の団体が行う紛争解決手続があります。2004年に成立し2007年に施行された「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(ADR法)は、民間団体による和解の仲介手続(調停とほぼ同義と思って下さい)を活性化・促進するために制定されたものです。代表的な民間調停機関には、財団法人交通事故紛争処理センター、弁護士会紛争解決センター・仲裁センター、日本商事仲裁協会などがあります。

日本で(アメリカでも)伝統的に行われてきた調停手続は、以下のような特徴があると言われています。
・調停人と一方当事者が個別に話し合うことを交互に繰り返す手続を原則とする(交互面接方式、別席方式)
・調停人は紛争解決の専門家として、解決案(調停案)を考案し、それを両当事者に説得するという手続を原則とする(評価型手続)

一方、メディエーション(現代調停)には、以下のような特徴があります。
・調停人と両当事者は、原則として一堂に会して直接話し合いを行う(対席面接方式、同席方式)
・調停人はファシリテーターとして、対話を仲介する役割を担い、当事者自身が解決案を話し合いの中で形成する(対話促進型手続、自主交渉援助型手続)

こうした手続上あるいは理念上の違いは、現在でも議論がなされています。

メディエーション・ラボでは、実務と理論の双方を研究し、よりよい紛争解決手続のあり方を考えます。